口蹄疫と公文協制度保険について
株式会社芸術の保険協会 山田 優
共著:ニッセイ同和損害保険株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、三井住友海上火災保険株式会社
平成22年4月20日に口蹄疫感染の疑いのある牛が見つかり、その農家の飼育していた全16頭を殺処分とした。だがすでに被害は拡大しており、5月15日にはブランド牛「宮崎牛」の種雄牛49頭も処分の対象となった。
5月18日には東国原県知事が口蹄疫について非常事態宣言を県内に発令。 6月8日時点で殺処分対象頭数は18万5,989頭。処分対象となった牛や豚は対象頭数の8割まで処分が完了。これにあたる獣医や県職員は600人以上にのぼった。(毎日新聞6月10日)
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6月16日には5市6町290施設の19万9,246頭が処分対象となった。(読売新聞6月16日)18日には大分県豊後大野市が、宮崎県からの団体利用について公共施設の利用制限を開始。(TBS、6月18日)
罹災地域の農家の皆様におかれましては、そのご心痛に心より哀悼の意を表します。
このような事態をうけて、各会員施設から口蹄疫問題についての対応と保険がどう適用されるのか、お問い合わせが相次いでおります。
簡単ではございますが、施設の皆様に今後どのような事態が想定されて、法的問題と保険はどのように適用されるかについて検証してゆきたいと思います。
貸し館が不能となった場合
施設が貸し出しなどについて利用制限をするような場合について考えてゆきます。施設の借主である事業体はこの利用制限や閉館などの措置によって事業中止または延期に追い込まれることとなり、実際に金銭的な損害を被ることが想定されます。
この場合、施設は損害賠償を負うことになるのでしょうか?
学識者の見解では、疫病の蔓延による行政や公共機関による一定の緊急避難措置は不可効力であり、非常事態が叫ばれているなかで、事業者が損害賠償を求めることは困難ではないか?とのことでした。ただ、予約時に半金を収めている「施設利用料」は債務不履行の観点から利用者に返金する必要があるでしょう。
保険においては、こうした経緯から施設側が賠償責任を負うことは考えにくく、「第三者の施設の使用不能損害」についても賠償責任保険を適用できず、補填されないこととなります。
また、貸し館対応興行中止保険については「施設の損壊(物理的に破損していること)」や「施設の汚損」を保険適用の条件としていることから、疫病の蔓延を施設の「汚損」と看做さず、保険の対象外、すなわち免責となります。
一方、施設が自ら主催者となって開催する「自主事業公演」については、口蹄疫が興行の開催を阻害する偶発的な事由として捉えることから、「自主事業中止保険」の適用は可能であると結論づけております。
(ただし、すでに施設周辺地域に口蹄疫が発生しているか、発生する確率が非常に高い場合には保険適用が困難な場合がございます。また単なる風評による自主的な公演中止も対象外となる可能性が高いです)
本件は新たに社会問題を引き起こし、さまざまな波及問題を引き起こしており、今後どのような事態になってゆくのか想像もつきません。
ただこうした法理の原則や、保険の適用について正しく認識を深めていただくことは、今後皆様の地域地域がどのような事態になったとしても、一定のスタンスをもってこれに対応してゆくことが可能になります。
<参考;口蹄疫とは>
口蹄疫とは、口や蹄部の皮膚、粘膜などに水疱が発生するウイルス性の家畜伝染病。牛、豚、水牛など偶蹄類の動物の病気であり、人に感染することはない。
会員のための特設ページ
22年度募集が開始になります。
本年は4月1日に保険業法の改正がございますため、募集文書の見直し等、皆様への利便性に資するために資料を改定いたしました。
そのためCD化を含め、募集文書、資料の作成とご送付が遅れますことをお詫び申し上げます。
つきましては下記のとおり、皆様への資料ご送付に先立ちまして、ホームページ上にて資料の公開を申し上げます。
個別の継続用紙などは、おって各施設へお送り申し上げます。
ご送付までの暫定的な措置にて、計算ソフトなどの資料も随時改定してまいりますのでしばらくご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
http://www.bunka.org/siteikannri.htm
施設賠償責任保険等のお知らせ
公立文化施設賠償責任保険及び公立文化施設災害補償保険は、(社)全国公立文化施設協会の会員の皆様のために設計されており、団体加入の特典により保険料の割引が適用されています。
平成17年度より補償範囲の拡大ならびに補償設計の多様化、さらに一部大型会館の保険料引き下げなどの制度改定を実施しており、これまで以上に利便性が向上しています。
毎年4月1日が更新日となっておりますが、中途でのご加入も受け付けております。
詳しくは取扱代理店までお問い合わせください。
□新規保険「請負業者賠償責任保険」のご案内 パンフレット(pdf) 申込み用紙・記入例(pdf)
| ■公立文化施設賠償責任保険 (幹事保険会社:ニッセイ同和損害保険(株)) |
施設の設置・管理・運営に原因があって、第三者の人身事故・財物事故が生じたため、その施設が法律上の損害賠償責任を負担しなければならないこととなった場合に、その賠償損害額等を補償する保険です。以下の3つの補償内容を自由に組み合わせて契約することができます。(本保険は正式名称を賠償責任保険といいます。)
| ● |
施設管理責任
施設(エレベーター・エスカレーター等の施設内の昇降機を含みます。)の建物・設備の不備あるいは施設職員の業務の不手際が原因となって1.利用者等の第三者がケガをしたり、2.第三者の人格権を侵害したり、3.第三者の物を壊したり、4.第三者の物が壊れていなくても使用不能損害が生じている場合に、保険金が支払われます。
| 注意: |
エレベーター・エスカレーターの事故については、エレベーター・エスカレーターが付属施設として保険の目的に加入されている場合に限り、保険金が支払われます。 |
【事故例】
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施設側のミスにより、入場者の整理がいき届かず、混乱してケガ人が出た。 |
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椅子の突起物によりケガをしたり、衣服が破れた。 |
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受託物管理責任
施設内で催される公演・展示会・展覧会等の際に、第三者より預かった受託物・展示品の破損などについて施設が賠償責任を負った場合に対象となります。
【事故例】
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クロークでお預かりしたカメラをお返しする際に落して壊してしまった。 |
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施設職員が扉・窓などの施錠を忘れていたため、夜間、展示品が盗まれた。 |
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| ● |
駐車場自動車管理責任
利用者用駐車場に預かった自動車の破壊等について施設が賠償責任を負った場合に対象となります。
ただし、単なる場所貸しのような無人駐車場(有料、無料を問わない)や、施設に隣接した空地を外部の一般利用者に提供している駐車場については、駐車中の自動車が盗難に遭ったり、第三者が破壊したとしても、施設側には法律上の賠償責任は発生しないと考えられますので、この保険の対象とはなりません。この保険は、駐車場入口に管理人が居り自動車を管理しているような駐車場(地下駐車場など)のみが対象となっています。
【事故例】
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施設職員の誘導ミスで自動車が衝突、修理費を賠償請求された。 |
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駐車場内のいたずらで傷をつけられ、パンクもさせられた。 |
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| ■公立文化施設災害補償保険 (幹事保険会社:ニッセイ同和損害保険(株)) |
施設において火災、落雷、爆発などの万一の災害時、あるいは不測の事態による転倒など偶然の事故により利用者がケガをした際に、被災者やその親族等との対応に要する費用や被災者への見舞費用を支払う保険です。公立文化施設賠償責任保険では対象とならない部分を補完する特徴をもっています。以下の2つの補償がセットになっています。
利用者が階段で転んでケガをした等のように、施設側に責任がなくても保険金支払いの対象となるパターンもご用意しています。 (本保険は正式名称をレジャー・サービス施設費用保険といいます。)
| ● |
被災者対応費用補償
下記1〜5の災害が発生して施設の利用者が被災したことにより、施設が各種の災害対策費用を負担した場合に保険金が支払われます。ただし、施設の建物、工作物等が当該災害により損害を受けた場合に限ります。
1.火災
2.落雷
3.破裂、爆発
4.風水雪災
5.施設外部からの物体の落下、飛来、衝突、倒壊
【事故例】
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・ |
施設で火災が発生し、イベント開催中であったため、観客が負傷した。 |
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・ |
被害者を近くの病院に移送するためにかかった費用(捜索救助費用) |
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被害者の親族が病院に来るためにかかった交通費、ホテル等客室料(親族現地訪問費用) |
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傷害見舞費用補償
死亡・ケガをした施設の利用者またはその相続人等に慣習として支払う弔慰金、見舞金等の費用が保険金として支払われます。
【事故例】
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・ |
施設で火災が発生し、コンサートの聴衆の数名が被災した。
1.被害者が病院に移送され看護されたが、手当の甲斐なく亡くなられてしまった。(死亡見舞費用保険金)
2.被害者は一命を取りとめたものの後遺障害が残ってしまった。(後遺障害見舞費用保険金)
3.被害者は入院することで無事完治することができた。(入院見舞費用保険金)
4.被害者は軽傷であったので通院することで無事完治することができた。(通院見舞費用保険金) |
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その他にも下記の保険をご用意しています。
| ■公立文化施設自主事業中止保険 (引受保険会社:ニッセイ同和損害保険(株)) |
施設が主催して開催する屋内の自主事業が、偶然な出来事により開催できなくなった場合に、負担した事業の各種費用を補償する保険です。(本保険は正式名称を費用・利益保険といいます。)
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【事故例】
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<天候に関する中止原因>
・悪天候により交通機関が不通となり、出演者・機材が到着しなかった。
<会館施設に関する中止原因>
・原因不明の停電のため照明が使えず、やむなく開催中止とした。
<その他>
・会館主催の展示会の展示品が盗難にあい展示会が開催できなくなった。 |
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| ■公立文化施設貸館対応興行中止保険 (引受保険会社:東京海上日動火災保険(株)) |
火災、破裂、爆発などの事故、風水災などの天災、またはその他の事由によって施設に滅失、き損または汚損が発生し、施設が閉館、休館を余儀なくされた場合に、イベントの中止によって施設を予約していた法人、団体に臨時に発生した費用の一部や、施設から当該利用者に対して支払った見舞金を補償する保険です。
(本保険は正式名称を興行中止保険・約定履行費用保険といいます。)
このご案内は保険の概要を説明するものものです。
詳細につきましては、加入の手引き等をご覧いただくか、下記までお問合せください。
加入手続きについての照会は
(社)全国公立文化施設協会事務局
TEL:03−5353−0320
| 〒163-1469 |
東京都新宿区西新宿3-20-2
東京オペラシティタワー2階 私書箱2572 |
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保険内容・保険料・事故等についての照会は
<取扱代理店>(有)芸術の保険協会
TEL:03−5465−1630
| 〒155-0031 |
東京都世田谷区北沢2-7-6
テクノプラザ下北沢901 |
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