社団法人 全国公立文化施設協会
全国公文協紹介正会員・賛助会員相談受付発行資料の紹介施設検索情報公開関連リンク保険事業

見出し平成21年度 公立文化施設における指定管理者制度導入状況に関する調査報告書

はじめに
 平成15年9月に地方自治法の一部改正が施行され、公の施設の管理・運営を地方自治体が指定する指定管理者(これまでの公共的団体だけでなく、民間事業者、NPO 法人等も指定可能)に代行させる「指定管理者制度」が導入された。
 制度導入後、1年4ケ月を経過した、平成17年4月1日の時点では、公立文化施設の管理運営に指定管理者制度を導入した地方自治体はまだ少なく、全国で51施設(当協会調べ)であった。
 多くの地方自治体では、指定管理者制度の導入を、法律が完全に施行される、平成18年9月1日に先立ち、同年4月1日から開始した。その実施状況については、当協会が文化庁からの委嘱を受け、調査を行い、「公立文化施設における指定管理者制度導入状況に関する調査 報告書(平成18年度4月1日現在の導入状況)」としてまとめ、平成18年5月に全国の関係機関等に配付した。
 また、同年9月1日の完全施行後の状況を把握するため、「公立文化施設における指定管理者制度導入状況に関する調査U」を実施し、また、平成19年度には「公立文化施設における指定管理者制度導入状況に関する調査V」、平成20年度には、「公立文化施設における指定管理者制度導入状況に関する調査W」をいずれも文化庁からの委嘱を受け実施した。
 文化庁委託事業「平成21年度 公立文化施設への指定管理者制度導入状況に関する調査報告書」は指定管理者制度開始6年目となる、平成21年度の導入状況について調査し、分析したものである。
 本年度の調査研究では、新しく、指定管理者制度導入により、活性化した公立文化施設へのヒアリング調査を実施することができた。アンケート調査及びヒアリング調査にご協力いただいた、全国の公立文化施設の皆様に対し、深く感謝いたします。
 本報告書が全国の公立文化施設関係者の皆様のお役に立ち、ご活用いただければ幸いである。

平成21年12月
社団法人全国公立文化施設協会

 

1 公立文化施設の運営方法 都道府県別集計 (平成21年6月1日現在)
都道府県 直営 指定
管理者
その他 国立等 合計 指定管理者
導入率
都道府県 直営 指定
管理者
その他 国立等 合計 指定管理者
導入率
北海道 62 39 1 0 102 38.2%


滋賀 24 25 0 0 49 51.0%



青森 13 12 2 0 27 44.4% 京都 9 25 5 2 41 61.0%
岩手 16 16 0 0 32 50.0% 大阪 18 54 0 3 75 72.0%
宮城 23 21 2 0 46 45.7% 兵庫 40 57 2 0 99 57.6%
秋田 20 6 0 0 26 23.1% 奈良 24 15 0 0 39 38.5%
山形 17 13 0 0 30 43.3% 和歌山 15 7 0 0 22 31.8%
福島 22 15 0 0 37 40.5%



鳥取 3 13 0 0 16 81.3%





茨城 24 21 0 0 45 46.7% 島根 12 27 0 0 39 69.2%
栃木 17 13 0 0 30 43.3% 岡山 32 19 1 0 52 36.5%
群馬 26 19 1 0 46 41.3% 広島 17 29 1 1 48 60.4%
埼玉 29 55 0 0 84 65.5% 山口 26 18 1 0 45 40.0%
千葉 34 26 1 0 61 42.6% 徳島 10 4 1 0 15 26.7%
東京 35 61 5 10 111 55.0% 香川 7 13 1 0 21 61.9%
神奈川 58 41 7 0 106 38.7% 愛媛 18 9 0 0 27 33.3%
新潟 26 18 0 0 44 40.9% 高知 14 11 0 0 25 44.0%
山梨 17 9 0 0 26 34.6%


福岡 38 33 2 1 74 44.6%
長野 34 23 1 0 58 39.7% 佐賀 17 14 0 0 31 45.2%
静岡 21 36 1 0 58 62.1% 長崎 23 14 0 0 37 37.8%




富山 8 28 1 0 37 75.7% 熊本 26 15 0 0 41 36.6%
石川 13 16 4 1 34 47.1% 大分 24 8 0 0 32 25.0%
福井 16 18 0 0 34 52.9% 宮崎 15 12 0 0 27 44.4%
岐阜 38 20 0 0 58 34.5% 鹿児島 34 22 0 0 56 39.3%
愛知 30 63 1 0 94 67.0% 沖縄 17 4 0 1 22 18.2%
三重 31 11 0 0 42 26.2% 合 計

1,093

1,048

41

19

2,201

47.6%

調査:社団法人全国公立文化施設協会

 


 

2 指定管理者制度導入状況(全国集計)
施設の運営方法 割 合
直   営 1,093 49.6%
指定管理者 1,048 47.6%
そ の 他 41 1.9%
国 立 等 19 0.9%
2,201 100%
指定管理者制度導入状況円グラフ
注: その他とは
地方自治法による、「公の施設」に該当しない、普通財産、財団所有などの施設。これらの施設は指定管理者制度の対象とならない。

参 考 指定管理者制度導入公立文化施設数の推移
年 度 導入施設数 割 合
平成18年度 881 40.2%
平成19年度 954 43.4%
平成20年度 1,001 45.7%
平成21年度 1,048 47.6%
(社)全国公立文化施設協会調べ
参考指定管理者制度導入公立文化施設数の推移折れ線グラフ

解 説  (社)全国公立文化施設協会発行の「全国公立文化施設名簿」によると、平成21年6月1日現在の公立文化施設数は、2,201施設である。
 今回の調査の結果、このうち、1,048施設が指定管理者制度を導入しており、その割合は47.6%であった。前回(平成20年度)の調査では、1,001施設、導入率45.7%、であったので、47施設、1.9%の増加となっている。
 地方自治体が50%以上出資した、公共的団体による公立文化施設の管理運営は平成18年8月末の法施行の期限までに終了し、指定管理者制度又は直営に移行しているはずなので、増加した47施設は、直営施設からの移行又は、新設施設であると考えられる。
 参考として、平成18年度調査から、今年度調査までのデータをもとに作成した、「指定管理者制度導入公立文化施設数の推移」を表示する。指定管理者制度を導入した公立文化施設が年々増加していることが、よくわかる。
 直営施設は1,093施設で、昨年度調査と比較し36施設の減である。これは指定管理者の47増と比較し、11施設の差があるが、新設施設がほぼ同数あるので、新設の文化施設のほとんどが指定管理者制度を導入したことが推察できる。
 地方自治法の対象とならない、普通財産、財団所有等の地方自治体関与の「その他の運営方法による」文化施設は41施設(1.9%)、国立等の施設は19施設(0.9%)であった。
 なお、指定管理者制度の対象は地方自治法による「公の施設」だけなので、正確に言えば、直営施設と指定管理者運営施設の合計数2,141で、指定管理者運営施設1,048を除した数値、(1,048÷2,141=0.489)つまり48.9%が、平成21年6月1日現在の、「公の施設に該当する、公立文化施設の指定管理者制度導入率」と言える。

 


 

3 指定管理者制度を導入した1,048施設の指定管理者の種別
指定管理者の種別 割 合
公共的団体 695 66.3%
民間事業者 155 14.7%
複数の民間事業者による共同体 96 9.2%
NPO法人 52 5.0%
公共的団体と
民間事業者の共同体
39 3.7%
NPO法人と民間事業者
による共同体
9 0.9%
NPO法人と
公共的団体による共同体
2 0.2%
1.048 100%
指定管理者制度を導入した1,048施設の指定管理者の種別円グラフ

参考1 民間事業者運営施設数の推移(単独、民間共同体、NPO との共同体、等の合計)
   
年 度 民間
事業者
割 合
平成18年度 116 13.2%
平成19年度 164 17.2%
平成20年度 204 20.4%
平成21年度 260 24.8%
(社)全国公立文化施設協会調べ
参考1民間事業者運営施設数の推移(単独、民間共同体、NPOとの共同体、等の合計)折れ線グラフ

  参考2 NPO 運営施設数の推移(NPO 単独、NPO と民間事業者の共同体、NPO と公共的団体との共同体等の合計)
     
年 度 NPO 割 合
平成18年度 26 3.0%
平成19年度 34 3.5%
平成20年度 45 4.5%
平成21年度 63 6.0%
(社)全国公立文化施設協会調べ
参考2NPO 運営施設数の推移(NPO 単独、NPO と民間事業者の共同体、NPO と公共的団体との共同体等の合計)折れ線グラフ

解 説  指定管理者制度を導入している1,048施設のうち、695施設(66.3%)において、自治体出資の財団等の公共的団体が単独で指定管理者として指定されている。前回調査の735施設(73.4%)と比較し、40施設(7.1%)減である。これは、第2期目の指定管理者選考にあたり、これまで公共的団体を指定していた文化施設の内、40の施設が、新指定管理者として、公共的団体(単独)以外の事業者(共同体を含む)を指定したことを示している。
 民間事業者への指定は、単独受託、共同受託、NPO と民間事業者との共同受託を併せて、260施設(24.8%)であり、前回調査の204施設(20.4%)と比較し、56施設の大幅増となっている。
 新規導入施設、指定更改施設とも、民間事業者への指定が着実に増えていることが推察できる。
 NPO 法人が関わっている指定管理者も増加している。前回調査では合計、45施設(4.5%)であったが、今回調査では、合計63施設(6.1%)と、18施設の増となっている。
 また、「公共的団体と民間事業者の共同体」も36施設、12施設の増と、着実に増加している。
 参考1として、これまでの調査データを基に作成した、「民間事業者(単独・共同体・NPO と民間事業者の共同)運営施設数の推移」を表示する。民間事業者の参入が年々増加していることがよくわかる。
 参考2として、NPO による指定管理者受託数の推移を提示する。NPO 運営施設も年々増加している。

 


 

4 指定管理者募集の方法
募集の方法 割 合
公 募 596 56.9%
非公募 452 43.1%
1,048 100%
指定管理者募集の方法円グラフ

参 考 公募施設数の推移
年 度 公募施設数 割 合
平成18年度 378 42.9%
平成19年度 425 44.5%
平成20年度 495 49.5%
平成21年度 596 56.9%
(社)全国公立文化施設協会調べ
参考指定管理者公募施設数の推移折れ線グラフ

4−2 公募により決定した、596施設の指定管理者の種別
指定管理者の種別 割 合
公共的団体 282 47.3%
民間事業者 135 22.7%
複数の民間事業者
による共同体
93 15.6%
NPO法人 40 6.7%
公共的団体と
民間事業者の共同体
36 6.0%
NPO法人と民間事業者
による共同体
8 1.4%
NPO法人と公共的団体
による共同体
2 0.3%
596 100%
4−2 公募により決定した、596施設の指定管理者の種別

解 説  指定管理者を公募したか、非公募であったかについては、半数以上の596施設(56.9%)が公募であったと回答しており、今年度調査において、初めて、公募が非公募を上回った。
 101施設(7.4%)の増である。このことから、新設を含む新規導入施設及び更改施設の多くが、「公募」を導入したことが推察できる。
 参考として、「公募施設数の推移」を表示する。公募施設数は年々増加している。
 また、4−2、「公募により決定した、596施設の指定管理者の種別」では、公共的団体が、47.3%と半数を割っている。「公募の増」→「公共的団体単独での受託の減」が指定管理者制度の大きな流れとなっていることがわかる。

 


 

5 指定管理者の指定期間
指定期間 割 合
5年〜7年未満 511 48.7%
3年〜4年未満 315 30.1%
4年〜5年未満 142 13.5%
3年未満 74 7.1%
7年以上 6 0.6%
1,048 100%
指定管理者の指定期間円グラフ

参 考 指定期間4年以上の施設数の推移
年 度 指定期間
4年以上
割 合
平成18年度 350 39.7%
平成19年度 395 41.1%
平成20年度 437 43.7%
平成21年度 659 62.9%
(社)全国公立文化施設協会調べ
参考指定期間4年以上の施設数の推移折れ線グラフ

  解 説  指定期間はこれまでの調査結果と比較すると大きく変化した。1位は、5年〜7年未満で、511施設(48.7%)と、212施設の大幅な増となっている。これまで1位であった、「3年〜4年未満」は2位の315施設(30.1%)、164減であった。次いで4年〜5年未満の142施設(13.5%)、3年未満が74施設(7.1%)、7年以上6施設(0.6%)となっている。
 5年以上の合計は517施設(49.3%)である。4年以上は659施設(62.9%)と初めて、50%を超えた。「指定管理者の指定期間は長期化の方向にある。」と言ってよいであろう。
 参考として、「指定管理者指定期間、4年以上の施設数の推移」を表示する。

 


 

6 利用料金制の導入状況
導入情況 割 合
導入あり 727 69.4%
な し 321 30.6%
1,048 100%
利用料金制の導入状況円グラフ
    注:利用料金制とは
  公の施設の利用に係る料金について、指定管理者の収入として、事業の実施等に運用することができる制度


参 考 利用料金制導入状況の推移
年 度 公募施設数 割 合
平成20年度 652 65.1%
平成21年度 727 69.4%
(社)全国公立文化施設協会調べ
利用料金制導入状況の推移折れ線グラフ

6−2 利用料金制導入、727施設における指定管理者募集の方法
募集の方法 割 合
公 募 450

61.9%

非公募 277 38.1%
727 100%
(社)全国公立文化施設協会調べ
利用料金制導入、727施設における指定管理者募集の方法円グラフ

解 説  利用料金制については、指定管理者制度導入施設の69.4%、727施設が導入している。
 前回調査と比較し、75施設の増となっている。指定管理者制度新規導入施設及び契約更改施設が、利用料金制をあらたに導入したことが推察できる。
 導入施設においては、指定管理者の経営努力により、事業費の増が見込める一方、指定管理料と利用料金収入の合計が総支出を上回った場合には、上回った金額を自治体に納入することが協定書に明記されている事例が多いようである。
 また、6−2として、利用料金制導入、727施設における、指定管理者募集の方法について分析したところ、公募が61.9%を占めていた。公募により、民間事業者の受託が増えている状況からみて、公募の増 → 民間事業者の増 → 利用料金制導入施設の増 となり、これも指定管理者制度導入による、当然の流れと言えよう。

 

トップへ ▲ 



ホーム|全国公文協紹介|正会員・賛助会員|相談受付|発行資料の紹介|施設検索|情報公開|関連リンク|保険|サイトマップ

Copyright (C) 2008 The Association of Public Theaters and Halls in Japan